2017年05月01日
_ [audio] 電気工作ワークベンチの移動と、UREI813の設置
2009年に、工場2階の使われていない小さな部屋を利用して、電気工作のためのワークベンチを作りました(http://www.wasanbon.co.jp/xiphio/html/diary/?date=20090827)。それまで、半田付けする場所さえその都度臨時に用意する有様だったので、色々な部品も綺麗に整理できたり、凄く良くなりました。しかし、建物のレイアウト上、この小部屋はどうも邪魔なので、隣の少し広い部屋が空いた事も有り、そちらに移動して、この部屋を無くす事にしました。そういう事に端を発してのこの半年あまり、色々なつまらない事柄を、この度5月1日の備忘録として、まとめて書いてみます。
電気工作ワークベンチの有った部屋は結局趣味部屋みたいになっていて、隣の部屋に移動と言っても、この数年間の内に押し込んだ荷物が結構多くて大変です。それに折角使いやすいように、考慮して配置したスペースを壊すのは何とも忍びなかったのですが、そこは仕方有りません。昨年秋に、人にも手伝ってもらって荷物全てをエイヤと一気に運び出し、元の部屋を空にしまして、その後部屋自体を無くしてしまいました。
最初は、移動した荷物の山を前に、この後どうやって片付けようかと憂鬱になるくらいでしたが、少しづつやれば何とかなる物で、あまり片付いていないものの、電気工作ワークベンチは、昨年中には前とほぼ同じレイアウトで復帰しました。この機会に、全く使用していない計測機器を何台かオークションで売りました。1台だけ、何故か高く売れた機器がありましたが、その他は、当然ながら買った値段の数分の1ですが、仕方有りません。
広い部屋に移った事も有り、その後やる事は数年前にオークションで買った大型スピーカー、UREI813の設置です。これは、813の初期モデルで、アルニコを使ったアルテックを搭載しているとの事で、鉄製の頑丈そうなスタンドが付いてきました。居間に設置してある813Bが気に入っていたので、あまり高価にならなければ、、と思いつつ入札した所、思いがけず落札してしまいました。結構ラッキーだったと思いますが、流石に、届いてももう置く場所が有りません。仕方がないので、音が出る事だけ何とか確認して、そのまま倉庫にずっと保管してありました。以来ずっと、キチンと設置した時の音を聞いてみたいと思っていました。
今回やっと場所が出来たので設置できます。でもしかしこのSP、大きいしとても重いので、2階まで持ってゆくのは本当に大変でした。
置いたら一人では動かせないので、設置をどうするかで悩みました。アンプなどの機器を置くラックは、価格を考えるとメタルラックしか思いつきませんが、どのサイズにするかとか、棚板はコンパネを切って自作ですが、サイズを少し間違えて凄く手間がかかったりとか、インシュレータをどうするか、とかです。
まぁ、そんなこんなで、いざSPを設置してみますと、とてもしっかり出来ている様に見えるスチール製の専用スタンドなのですが、少しゆがんでいるようです。4点か、大きいので若しくは6点のインシュレータで支えてSPを置こうとしたのですが、各場所に隙間がかなり空いてしまいます。仕方ないので、急遽3点の支持にしました。
この鉄製のスタンドには制作メーカー(?)のシールが貼ってありますが、オークション出品時の使用中の写真を見ると、シールが逆になっていて、このスタンドを逆にしてある様です。上下は対称なのでどちらでも変わりがないのですが、どうして逆にしてるのかな、と思っていたのですが、今になってその理由が分かりました。多分この方が、水平が出しやすいのでしょう。
更にレイアウトを考えるためにネットで色々画像検索していたら、このUREI813の来歴が判りました。今我が家に来ているこの813は、オークションに出品される少し前に、有名な中古オーディオ販売店で売られていた物の様です。何故かシリアルのナンバーの一部が切り取られていますが、画像をよく見ると、その他の細部が全く同じです。面白い事に、その時には、付いてきたのとは違う、少し細身のスチール製のスタンドが付いています。オークションでは、出品者は同じスピーカを所有との表記でしたので、それらを考えるに、出品者はショップからそのスタンド付き813を購入し、鉄製のスタンドを、恐らく元々持って居た物と交換して、オークションに出品したと思われます。
確かにこのスタンドは、水平がちゃんと出ていない所がありますが、しっかりしたスチールフレームを溶接した物なので、ある程度の誤差は仕方ないかも知れません。でも実際にはちょっと使いづらいですね、私も結局使わない事になりました。
暫くは、仕方なくそのままだったのですが、BBSM−10と言うSPも来る事も有り、色々考えた末、レイアウトを変える事にしました。UREI813はプロモニター用SPで、標準ではウーハーが上に来ています。それなので、中高域を耳の高さに合わせるために、高いスタンドを使う訳なのですが、上下を逆にしてウーハーを下にする設置も可能です。計った所、20cm程の低いスタンドを用意して、逆に設置すると丁度良さそうです。そうして、そのUREIの上に、BBSM−10が丁度サイズぴったりで乗ります。
そのくらいのスタンドなら木製でOKかな、と思い、DIY店の木材コーナーとか見てたのですが、その内、有名なTAOCの鉄製のスピーカースタンドが高さとして丁度良い事に、やっと気づきました。大きめのブックシェルフやJBLなどのスタンドとしてとても有名な物なので、試しにちょっと検索しただけでもオークションで多数出品されています。大きなSPなので片方で3個、左右で6個使用する事も有り、あまり安くなっていないのですがオークションで買ってしまいました。
インシュレータとしては、ゴム系は柔らかくハードな物はスピード感のある音になるとか言われていますが、土台の方は動かずしっかりしていて振動を床に伝えない事が大事と勝手に考え、TAOCに付随の赤いシートは取り外し、ソルボンセインやハネナイトを貼ってみました。その813の上に載せる、ウェストレイクのBBSM−10ですが、こちらは以前使って結構気に入った、ドライカーボン製の大きめのインシュレータにしてあります。
実際に音を出してみますと、先に使っている813Bと同じく、高域が少し不足気味です。同じように、ファオステクスのスーパーツイータを追加しますと、とても良くなりました。アルテックは初めてですが、音離れの良い、ある意味少し乾いた軽快な音です。軽音楽やジャズ向きかも知れませんが、私が主に聞くクラッシックでもとても良いと思います。
_ [audio] ウェストレイクBBSM−10、エッジ貼替&磁気回路修理
UREIも良いのですが、いつも聴いているSPのなかで一番気に入っているのが(ESLを別にすれば)ウェストレイクのBBSM−6です。そういう訳で、ウェストレイクのスピーカーは時折見るのですが、やはりとても高価です。オークションでも、大きなシステムは簡単に百万円以上になってしまして、とても買えません(それに設置する場所もありませんし)。今年になって、珍しくBBSM−10が出ていたので、かなり迷ったのですが、これならUREI813の上に置けるし、例によってミッドのエッジが無くなっていますが状態も良さそうな表記ですし、それよりフロア型のに比べれば安いだろうと、買ってしまいました。
届いた物をみると、概ね一般中古と言う所でしたし、片側のウーハーを止めてあるネジが何故か全部ゆるんでいたりとか、ちょっと不自然な所もありまして、やや期待はずれではありました。しかしとりあえずは、ミッドのユニットのエッジを貼り替えなければなりません。以前、同じ様なウェストレイクのミッドのエッジ貼り替えをして貰った岡山の業者に頼むつもりでしたが、既にHPが無くなってしまっていました。どうやらもう店を閉めてしまった様です。エッジの貼り替えは自分でも何度もやっているので、自力でやろうかとも思いましたが、大切なSPですので、やはりプロの業者に頼もうと探しまして、結局地域的に近い、大阪の某業者さんにお願いする事にしました。
電話で連絡してから、ユニットを取り外し送りましたが、1ヶ月以上経っても何も連絡が有りません。その後、2度ほど間を於いて問い合わせの電話をして、やっと返送されてきました。オリジナルはウレタンエッジなので、当初電話にてウレタンを指定しました。ただ、サイズが無ければゴムになるとの話でしたが、この手のSPならウレタンエッジのサイズが無いって事はまずないだろうと思っていましたが、帰ってきたのを見るとゴムエッジになっていました。事前には、何も連絡は有りませんでした。それに、細かい事ですが、こちらから送る時SPユニットを2つ合わせてボルトで留めて送るのですが、丁度良い長さの新しいボルトが有ったので、ワッシャも付けて使用して送ったのですが、帰ってきたら違うボルトになっていました。管理が少々甘い気もします。肝心のエッジの貼り替えの出来については、丁寧かどうかの判断は私では出来ませんが、あまり良い業者とは思えませんでした。少なくても、私はもうお願いしません。(自分でやった方が、良)
エッジ貼り替えが終わったので、早速取り付けてみました。SPケーブルもカナレの4芯の新しいのを用意して、少し聴いていました。暫くすると、片チャンネルから、時折チリチリと付帯音が付く事に気がつきました。殆どネットラジオを聴いていますので、最初しばらくは、ソースの音かと思っていましたが、その内おかしいと思う様になりました。試してみると、音量を上げると、時折異音が付帯します。音楽の種類によって気にならない場合も多いのですが、ピアノ曲を音量を上げて聴きますと、結構目立ちます。アンプが歪んでいるのが原因かとも思いましたが、試しにアンプのLRを交換しても同じでしたので、これはスピーカーが原因です。それも、ミッドから音がします。
これでは、このSPユニットの修理が必要です。オークションでスピーカーも結構買いましたが、エッジ以外で修理が必要な物は初めてです。それも、このスピーカーで、と言うのは、どうもついてなかった気がします。多分、エッジ貼り替えが原因ではなく、その前からでしょう。こちらのSPのウーハーユニットのネジがみんなゆるゆるだったのも、そう言った理由が有るのかも知れません。でもこの異常、エッジ貼り替えして、試聴した時に気がつかなかったのでしょうか?、何の報告も有りませんでした。
兎に角、今更後悔してもしょうがないので、SPユニットの修理です。近くの業者で懲りたので、今回は遠くても評判の良い、山形のオーディオラボに頼む事にしました。いっそのことスピーカーシステム全体の整備をお願いしたかったのですが、来年5月以降でないと受けられないとの事なので、SP全体のは後にして、とりあえずミッドのユニットだけ送って修理&メンテナンスしてもらう事にしました。エッジも再度貼り替えになりますが、今度はオリジナル通りウレタンエッジになるようです。そんな経緯で、5月現在修理中です。
追記(6月8日):オーディオラボから、ユニットの修理が終わり、帰ってきました。ウレタンエッジに張り替えされたユニットを見てみましたが、さすがに綺麗に出来ています。これは、私では出来ません。価格は先にやった所より高いですが(磁気回路修理も入っていますので)、やっぱり出来るだけ丁寧にやってくれる所でお願いした方が、結局は得な気がします。
早速、結線しようとしたのですが、片方のユニットの結線する端子が1個、金属疲労のせいか、途中で折れてしまいました。まぁ仕方ないので、少し残った部分に半田付けしました。動作は問題無いようです。このBBSM10は、スピーカーシステム全体をオーバーホールしてもらうべく予約をしています。だいたい来年5月か6月の受付になりそう、との事ですが、その時に、このターミナルの事も相談してましょう。とりあえずちゃんと直って良かったです。
2017年05月07日
_ [audio] 交流電源、東京精電 CVFT1-D500のファン交換
連休も最終日。本日は特に予定も無かったので、幾つか、予定していた電気機器のメンテナンスしてみる事にしました。
まず午前中に、暫く前にオークションで買った、5Aの交流電源CVFT1-D500のメンテナンス。メンテと言っても、こちらの機種の方は比較的新しい物で、今急いでやらねばならない様な事は無いのだけど、背面に2個有るファンがやはり少々五月蠅いので、その交換を考えてファンの規格を見てみた所、なんとまぁ、どちらも丁度手元にある物だったので、いきなりすぐ実行する事になった次第です。
この機種、入力電源も出力も、こういう機器には良くある単なるハモニカターミナルに成っているので、まずY型端子に加工した入力の電源ケーブルを作らないといけません(動作確認は非常に簡易なケーブルで済ませた)。1から作っても良いのだけど、手元に既存の電源ケーブルが山の様にあるので、その中から容量が大きめの12Aの物を選び、機器側のプラグを切ってYラグ端子に加工。簡単な作業だけど、30分ほどかかりました。
その後筐体を開けてファンの交換です。途中一箇所、筐体のネジが外れずネジ山が潰れてしまったので、電動ドリルを取り出し、ネジの頭を飛ばして取り外し。ファンの交換は、取り付けのネジが結構外しずらく、結局裏パネルのネジまで取り外して、パネルをずらしながら作業しました。
ドライバが入りずらくて少し手間取ったけど、何とかファンの交換は完了。電源の接続は、大きい方のファンはコネクタではなくて元々半田付けしてあったので、外して元の通りに、小さい方はケーブル途中を切って半田で繋いで処理しました。
なんやかんやで、こんな作業も1時間半かかりました。こんな簡単な事でこう時間がかかっていては、、この様な事を仕事にはできないですね。
新品に交換しても、ファンの音は結構うるさいです。この機器をオーディオ用のクリーン電源として使うなら、ファンコントロールでもつける必要が有るでしょうが、今の所その予定もないので、とりあえずこのままです。
_ [audio] プリアンプ、AGI 511のメンテ
このAGIも、暫く前にオークションで買った物です。AGIは数年前にも一度落札したことがあったけど、それは完動品で有った事もあり、そのまま仕舞い込んでしまいました。今回、何だか安かったので、終了前に試しに入札してみたら、何とそのまま落札してしまったのでした。
「電源が入る事だけ確認」と言う品だったけど、届いた物を確認すると、Rchから出力が有りません。この機種に良くある、RCAピンの接触不良かとも思ったけど、どうやら違うみたいです。前の所有者も筐体を開けてみたらしく、筐体のネジが1個有りません。安かっただけに、結局ジャンク品だった模様です。
そこでいきなり修理できるほどの知識はないので、そのまま暫く置いてあったのだけど、他の方のオペアンプを交換したブログを読んで、恐らくオペアンプが原因では無いかと思い立ち、午後からは、AGIのメンテに取りかかってみました。
AGIで使用しているオペアンプは、LF357N と言う物です。基盤を見たところソケットなど使われていないので、直に半田付けされているのかと思っていたのだけど、どうやらそのまま交換できるらしいので、試しに引っ張ってみたら簡単に抜けました。左右のオペアンプを交換すると、今度はLchから音が出なくなったので、オペアンプが原因と特定できました。(オペアンプ交換だけで済んで、良かった)
ちなみに、元々のLF357Nは探してみたけれど、今は売っている所はあまりなさそうです。汎用のシングルのオペアンプに交換可能みたいなので、昔買って所有している物の中から、左右共に、とりあえずOPA277というオペアンプに交換しました。これで一応音も出ているし、修理は完了です。良く憶えていないけど、このOPA277は、多分、昔初めてオペアンプなる物を知った時、「高精密」という謳い文句に惹かれて試しにRSで買ってみた物かと思います。でも後で、オーディオ用として評価の高い物も試してみたいです。
ついでに、電源のレイアウトを変更する事にしました。このAGI、フロントパネルに Power と言うスイッチが有るけど、プリアンプ自体にはSWは無く、コンセントを差した時点で通電しています。SWが無いプリアンプは結構有るけれど、「Power」と書いている立派なノブが有るのにこれでは、非常に紛らわしいです。充分判っているつもりでも、ついつい電源ONのショックノイズをSPから出す事があるかもしれません。それでは困るので、今回設計者の意図を無視して、Power ON でプリアンプ電源が入る様に配線を変更しました。
ひとまず今回はこれで完了で、試聴。手元にあったオペアンプOPA277は、あまりオーディオ用に使う機種では無いかも知れませんが、聴いていますとなかなか良いのでは無いかと思えてきました。AGIはRCAピンの交換は必須ですが、それには部品も手間も必要なのでとりあえずは後回しです。それより問題はボリュームです。
この個体、片チャンネルから音が出なかったものの、状態は比較的良くて、基盤も綺麗だし、VRにも入力切替SWにも、接触不良が全く有りません。それはとても良かったのだけど、測定器で歪み率などを測定してみると、Rchに比べてLchの出力が明らかに少ないのです。数%位の差は良くあるものだけど、もっと違っていて無視出来る範囲を幾らか超えています。AGIのバランスつまみを、左に20度ほど回して丁度良いくらい。増幅系が原因なら、私には対処できませんが、試しに入力信号を小さくして、メインVRを右に回しきると、ほぼ同じ出力になりましたので、この2連VRのLRバランスが原因のようです。折角ガリもない状態の良いVRなのに残念です。
夜になって、パーツを検索。まず、シングルのオペアンプですが、やはり評判が良いのは OPA627BPなので、RSで検索。何と、OPA637BP(よりハイスピードらしい)と言うのも有るみたいなのでこちらも一緒に、高いけど両方2個づつ注文しました。こういう超有名パーツは下手に安いのを買うと偽物の可能性も有るらしいのですが、RSなら安心でしょう(、、だと思う)。
オーディオ用50k2連VRは、本当に交換すべきかどうか悩ましい所。どうせ交換するなら高品質な物にしたいですが、良い物は数万円していて、安く落札した本体よりも高い。AliExpressで、良さそうな24ステップのデテント型アッテネーターを見つけたのだけど、中国製は信頼性の問題があるし、でやはり思案中。
追記1: この様な機器を看る場合、まずは回路図を手に入れる様にしています。知識がないので、どちらにしろ大した修理も出来ませんし、回路図が有ったからと言ってそれほど出来る事は変わりませんが、逆にだからこそ手に入れられる資料や情報は揃えておきたいと思っています。以前、修理を頼んだプロの方と色々話をしてきて、私もそうするようになりました。プロの方も、プロだからこそキチンと資料は揃えるそうです。
AGI511の回路図も最初見つかりませんでしたが、丁寧に探すと見つかりました。それを見て、少しびっくり。この511って、ライン入力からバランス・VRと通って、すぐオペアンプに入り、そのまますぐ出力です。ライン信号の能動部品は、実にオペアンプだけなのです。発売当時も評判良かったですし、現在でも概ね高評価なプリアンプですが、このシンプルさがかえって良いのかも、、です。何にしろ、回路図を見る限り、オペアンプがおよその音を決めていると言って良いのでは無いかと思います(それと、バイポーラの電解コンデンサが直列で入っていますので、そのコンデンサくらい、あとはVRか)。電源部分を除くと、基盤の2/3以上はフォノイコライザー回路ですね。以前、この機器をフォノイコとして使っていると言う人が居ましたが、正しい使い方かも知れません。
追記2: オペアンプが届いたので、OPA627BPに交換しました。発振などしていない事を確認してから、元の木箱に戻して試聴。やっぱり、こっちの方が良いみたいです。バランスのVRを通しても、歪率の変化は殆ど無いようですから、せっかくガリが全くないVRなので、交換しないでそのまま使う事にしました。(その代わり、普通に使用する辺りで、およそ同じ出力になる様なバランスVRの位置にマークを付けました)
2017年05月13日
_ [audio] Musical Fidelity A370-2 ランプ交換
少し広い部屋に移ってやっと登板の機会がまわって来たのは、UREI813だけでは有りません。このミュージカル・フィデリティのA370−2も、やっと使用してみる事になりました。
ミュージカル・フィデリティ(MF)のメインアンプは、オークションを見始めたごく初期にP−270を購入し、とても熱くなるのですが、音色が気に入りました。有名なA1は買っていませんが、A300とか、そして結局大きなこのA370を入手しました。
ちなみに一番最初に買ったP270は、その出品者が、基本回路以外の所で色々改造してありまして(リレーを付けてあったりとか)。また、最初音がなんか少し変だなと思って、プロの方に見て貰った所、寄生発振をしている、との事(当時は、測定器もあまり持っていまえんでした)。その他、片チャンネルが10W位で飽和する様です。その後の経緯は既に良く憶えていないのですが、出品者は確か「音は試聴で決めている」とか言って対応してくれなかった気がします。発振はオペアンプを交換したら無くなったと思います。10W以上も普通出さないので、そのまま暫く使っていたのですが、結局現在はお蔵入りになっています。
重いA370をやっと設置してみたのですが、電源のランプが切れています。MFのこのタイプの電源スイッチを使ったメインアンプは、割と早めにランプが切れるみたいで、ランプの交換は、以前も2度ほどやった事があります。一番最初は、上記の最初のP270と思います。
電源スイッチの中から、小さな表示ランプを取り出しますと、48Vと記載してありました。昔は、その見本を持って秋葉原の店を数件あたりました。「あそこなら、有るかも知れない」と言われて行った店で、同等品を購入しました。その後、初めてRSコンポーネンツと言う所を知った時、当時はこのタイプの同じ48Vのも有った記憶が有ります。今はもう載っていません。
最初のは赤色表示でしたが、2度目はどの機種だったか今回と同じく、青色表示の電源スイッチでした。先に買っておいてあったランプと交換すると、ランプが電球色の為、殆ど白っぽい変な色になるのが不満でした。それで、不良になったランプを割り、中に白色LEDをはめ込みました。結構細かい半田付けの作業が伴うのですが、当時はまだ目も悪くなかったので、上手く出来たのだと思います。電圧は48V有りますので、配線に、大きめの電流制限抵抗を付けLED点火させました。
先のランプ交換は、もうすいぶん以前の事です。最近ではどんな種類の電球でも、リプレイスのLEDランプが色々出ているので、それを探してみる事にしました。まずこの小ランプ、「インジケーター・ランプ」と呼ぶのが普通みたいです。色々検索しますと、「T5/A6型電球」と言う事が分かりました。日本のサイトでこのタイプの電球を売っていましたが、48V物は無く、LEDのも有りません。"T5/A6"ではこれ以上出てきませんでしたので、そこに括弧付きで並記されていた"S5.7/8"で、更に検索。海外では"S5.7"とした方が良いみたいですね。
結構時間はかかりましたが、外国の電気パーツ通販のTEMと言う所で、このタイプのLEDランプを売って居るのを発見しました。ただし、24Vか28Vで、48Vは有りません。仕方ないので、その24V用をオーダーしまして、先日届きました。TEMって良く見ていないのですが、ヨーロッパの会社の様ですね。日本のRS、アメリカのDigi-Key、EUのTEMって所なんでしょうか?。日本へでも問題無く発送してくれるので、有り難いです。
電流制限用の抵抗を、計算値とその前後辺りの値の物を数種を購入して、準備を済ませ、本日午後、ランプ交換に取りかかりました。前にも何度かやった事があるし、今回はもう少し大きな筐体だし交換も簡単、と思ったのだけど、手が入りづらい所でもあって電源SW裏の締付が外れません。
仕方ないのでその取り付けプレートごと外そうとしても、同じく狭いのでドライバが入らずこれも取れない。またまた仕方ないのでいっそ前面のパネルを外そうかとやり始めたのだけど、前面の六角ネジが堅くて全く回らない。大体、このMFのこのタイプの機種は、いままでの経験上筐体のネジがかなり外しづらい。基本的に、各所の六角ネジがさびやすいみたいです。前面の取っ手元の大きな六角ネジは、4つ共どんなに力を入れても全くびくともしませんでした。将来、もしかして内部基板に手を入れる必要が出た場合、ここが外れないとやりづらいだろうなぁ。そんな事にならない様に、祈るしか無い。ちなみに裏パネルのネジも外してみようとしたけど、1個がどうしても外れず、ついにその六角の角がつぶれてしまった。
結局、前面のパネルを取るのは諦めて、内部に2つ有る、電源のブロック電解コンデンサを取り付けてあるパネルのネジを外して、双方をすこし移動させ、やっと取り外した。加電圧を測ると、表示ランプには55Vほどかかっている。早々にランプが切れる訳だ。ランプを24V用のLEDに交換して、先の計算より少し大きめの抵抗を間に入れて、無事LEDがつく事を確認した。前回、抵抗は中ぶらりにした様な記憶があるけれど、今回は小さく切った基板に載せて、基板は手近な所に固定しました。そんなこんなで、単なるランプ交換だけに3時間もかかりました。
音はヴィヴィットて艶があり、MFの音です。新しく取り替えたLEDは正面に指向性が強く、電源表示が中央だけ明るくなるのが、ちょっと残念です。広角の品種もあったのでそっちにすれば良かったです。MFのこの手のアンプは、どれも熱くなるのですが、この大きな筐体のA370であってもそれは変わらず、全体がかなり熱くなります。音は良いのですが、やはり冬限定のアンプですね。
2017年05月21日
_ [audio] UREI 6300 の超簡単静音化
私はプリアンプ&メインアンプは、季節によって3系統分けて使っています。夏に凄く熱くなるアンプを使いたくない、と言う事も有りますが、オークションで、興味があってかつ適価以下と思えるアンプ(時折、あやしい物もあるけど)を色々買ってしまっていて、それらをそれぞれ使ってみたいのも理由です。
冬用の凄く熱くなるアンプ、春秋用のそこそこ発熱するタイプ、夏用のあまり熱くならない物、と分けています。例えば、居間では、冬がクレル・KSA200、春秋がSUMO ThePower、夏がSAE A1001です。2Fでは、冬がヤマハB1、春秋が日立9500、夏がやはりSAE Mark XXX1Bです。ちょっと広くなったワークベンチでもそうしようと考えていて、冬用はA370−2なのですが、あい用として、またThePower、そして夏用にはUREI 6300を考えています。
この6300はかなり昔に買ったアンプですが、落札後、出品者が有償で電解コンデンサの交換などのメンテしてくれるとのことで、自分でしても良かったのですが、出品者がこの手のアンプに慣れている良く見かける有名な方だったのでメンテナンスしてもらった物です。(後日、基板を見てみましたが、斜めになっているFGをみて、自分でやりゃ良かったかな、と少し思いました。)前面の空気取り込み口のスポンジは、私が補修しました。
クラウンのPS400の換わりに、仮設置したらそのまま元に戻せなくなってそのままになりました。プロ用と言えるUREIのアンプですが、昔のワークベンチ小屋の時からずっと使っています。その様にとても気に入って常用していたUREI6300ですが、欠点はファンの音がうるさい事です。最初は静音モードなのですが、熱くなりやすいのか、わりとすぐに爆音モードになります。
このアンプで使用のファンは、普通の四角い枠に入った物で無くて、以前ファン交換を諦めた事が記憶に残っています。でも、この機会にどうにかしたいと思い、先日再び開けてみました。元々付いているファンは特殊ですが、サイズを測ると、普通のファンに交換できなくもありません。
しかしこのアンプ、良く良く考えてみると、エアフローに少々無理があるのでは無いかと思います。前面から空気を取り入れて、背面近くのファンで、半分から下の基盤やトランスが入ったエリアに吹き込むのですが、吹き込んだ先の出口は、前面の前パネルとヒートシンクの結構狭い隙間です。ここから上部に上がりヒートシンク羽の間を通って背面に抜ける、、と言う設計の様です。要するに、上部前中央から入って後部で下部半分エリアに入り、その下部の左右前面から上部に行って背面に抜けると言う、合計一往復半もする事になります。結構隙間が狭い箇所も有るのに、この長いエアフローを1個のファンでやろうとしているので、かなり風量が強くないと計画通り上手く空気は流れないですよね。これではファンがすぐ全開モードになってしまうのも、当然かもしれません。
既存のファンを取り外したりとか、ファン交換の準備をしながら上記のような事を考えて居た所、ふと、基板やトランスそして配線の類いは全て下部にあるので、「もうこのままカバー無しの、ヒートシンクむき出しの状態で使用していいんじゃ無い?」と思うに至りました。そこで一旦取り外したファンを元に戻し、上部カバーを外した状態で暫く作動させましたが、ファンはずっと静音モードのままで音も全く気になりません。ヒートシンクむきだしのアンプなんて、コンシューマ用では既に当たり前ですし、配線類は全て内部ですので、そのまま使用しても全く問題無いと思われます。すごく簡単に事は解決しました。
ただ見ていると、空気吸い込み口辺りの頭が少し気になります。そこで、この真ん中だけの、カバーを作る事にしました。板金工作はあまり得意では無いのですが、アルミか鉄でL型のカバーを作るだけなので、まぁ簡単だと、、
考えた末1mm位のアルミで作る事にしてDIY店に行きましたが、無かったので1.5mm厚のアルミにしました。アルミなら、1.5mmでもカッターで切れるらしいので、長辺はカッターで、短辺はディスクグラインダーで切断しました。厚めなので、普通なら折り曲げに苦労する所ですが、以前買った「板金折り曲げ機」が役にたちました。ねじ穴が5つ必要ですが、やはり板金工作に慣れてないせいか、元々不器用なのか、ねじ穴が一度では上手く合いません。丸やすりでそれぞれ補正しました。
やっと出来たので、本日塗装作業に取りかかりました。私は、塗装自体やった事が無かったのですが、色々調べて、ディスクグラインダーで400番で磨いて、更に手で600番の紙やすりで磨いてから洗浄。その後、まずプライマーを吹き付けました。こういうスプレー塗装を上手くやる一番の注意点は、「スプレーをかけすぎないで薄く何度か重ねる」と、何処でも書いて有ります。それを改めて肝に銘じてプライマーを吹き、一時間してからつや消しブラックのスプレーを薄く何度も塗り始めました。
ところが、結構上手くいっている、と思っていた最後の方、スプレーから大きな粒がボトボトと何個か吹きかかり、そこが思いっきり塗装の粒になってしまいました。塗装面は広くないので小さなスプレー缶を買って来たのですが、割とすぐ減ってしまい、残量が減った最後は霧状にならず、大きな粒が飛んでしまうみたいです。そんな事、何処にも注意してなかった様な、、。こういうのは、やっぱり実際に何度かやってみないとダメですね、教訓、「スプレー缶は大きめのを買いましょう」。
つぶ状の塗装むらが出来てしまったものの、一応キチンと黒に塗装できました。このカバーを付けると、見栄えがだいぶ良くなりました。ずっと使用していても、ファンは静音モードのままで音は全く気にならなくなり、非常に快適です。部品の交換などの特別な対処は全く必要ないのです、家庭で使用するのなら、UREI6300はすべからく上カバーを外して使用すべき、と言えます。
追記: 残念ながら前言撤回です。長時間通電していましたら、またファンが全開モードになりました。全体を覆うカバーが無いので、ファンが全開で回ってもそれによるヒートシンク冷却効果はあまりありません。しかし放熱フィンが外に出ているので、これ以上はあまり熱くならないと思われます。従ってファンを常に静音モードで作動させても大丈夫なのでは、とも思います(あくまで予想ですが)。その他対策を考えるなら、カバーをもう前だけにしてファンはむき出しにするとか(つまり、前からの見栄えだけ整える)、そしてファンを交換し風の向きを吐き出し方向に変える、とか、もうこのファンが付いている板自体を取り払ってしまって(簡単に取れるのです)ケースファンにする、とかです。一番良いのは、左右のヒートシンクの上に大きめの静音ファンを追加する事ですが、A級アンプでなく実際それほど熱くならないので、そこまで必要かは考え物です。
2017年05月28日
_ [audio] オーディオ機器電源の波形観測
このところ、新しい部屋の片付けにやっと目通しがつき、遅々とはしているのですが、以前買ったものの使う機会が無く、お蔵入りだった機器の設置&環境設定が進んでいる事も有り、オーディオ系の日記が多いですね。
昨晩から、昔買ってそのまま長い間棚に置いてあったままの、WONのハンディデジタルオシロスコープ PDS5022を使って、電源の波形を見てみました。このオシロ、買った時から殆ど使っていません。ハンディタイプなので、使うとしたらこういう用途が良いかなと、思っていました。
雑誌によると、最近なんだか電源コンディショナー系の新製品が出ていて、それがまたえらく評価が高いので、電源を少し見てみる気になった訳です。以前、測定器の電源をアイソレートする必要性から、トランスに目を向け始め、それから200Vからのダウントランスとか、ノイズカットトランスとかを結構集めてしまいました。回りは結構トランスだらけです。
一時期、オーディオ機器の電源の「極性を合わせる」とか言う事が推奨され、やろうとしたけど結局面倒なので、アイソレーショントランスで浮かしてしまえば気にしなくていいんじゃ無いかと勝手に理解し(とても怪しいですが)、1.5kw以上の大きなトランスをあちらこちに置いています。それでも、トランスって、それほど気にならないものの唸りはするし、実はあまり効果の程は感じていませんでした。
入力100Vはちょっと大きいのですが、プローブで1/10に出来るので、それを利用して測定。その前に、ショートしてしまうと困るので、ハンディオシロの電源をアイソレーショントランス経由にしておきます(これは大事)。
まず、手近なコンセントからの100Vを見ましたが、とても綺麗な正弦波です。その次に、電気やさんにわざわざ200Vコンセントを設置してもらって、そこからノイズカットトランスで100Vに落としてあるオーディオ用タップを見てみると、、ちょっと歪があります。普通のタップのがとても綺麗で、オーディオ用に用意したのがこれでは困ります。どうりで、今まで効果を感じなかった筈です。うちは地方の農村地区だし、それにここは別棟と言う事も有るのでしょうか、元の電源自体がとてもクリーンだった訳なのですね。雑誌記事の様な劇的な効果があるのならば、元のが相当質の悪い電源だったのでしょう。
200Vから100Vにした方も、使用しているコンセントを全部抜いてしまうと、波形は綺麗になるので、どれかの機材が悪さをしている模様です。調べてみた結果、一番影響が有ったのがDAコンバータのRosetta200、次がUSB・DDコンバータやパソコン関係のDCアダプタが集まっている電源線です。よく言われている事ですが、やはりスイッチング電源は良くないです。手元のを見る限りでは、他の電源にもノイズをまき散らす様です。ノイズを軽減するために、ノイズカットとかのアイソレーショントランスを通しているのですが、その後の一緒のタップの機器が原因では全く意味ありません。これを機会に、DAコンバータはパイオニアのU−05に交換し、パソコン関連のスイッチング電源の機器は100Vからの電源ラインに変えました。(だからといって、私の耳には音が見違えて良くなったとは思えない所が情けないですが)
興味深いのは、悪さをするスイッチング電源の機器も、トランスを通していない100Vの壁コンセントからの場合は同じタップにもそれほど大きく影響を与えない、と言う事でした。トランスでアイソレーションした後のエリアでは、結構影響有ったのですが、、。
何にしろ電源ラインの状態に関しては、オシロで波形を見れば一目瞭然なので、あれこれ良く分からない機器を信仰する必要が無いので楽です。ただしこれは静的な特性で、動的特性については分かりませんが、後は充分な容量があればそれで良いかとも思いますが、どうなんでしょうか。でも電源の波形をオシロで見るくらい事、面倒がらずもっと早く実行していれば、大きなノイズカットトランスを何個も買わなかったかも知れません。